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レイニング
Reining

Sliding
スライディングストップ
この競技はスピン、ロールバック、スライディングストップなどウエスタン乗馬ならではのダイナミックな技が見物です。これらの技は、カウボーイが動きの激しい牛を追いつめる時に必要な技術を1つのパターンに組み上げた競技です。

レイニングは、いくつもの技が盛り込まれた規定のパターンに従って走行し、馬がいかに騎乗者のいうこと聞いてくれるかを審査する競技です。騎乗者が引っ張り回しているようなのはいけません。馬がひとりでにやっているように見えるのがGOODです。 (馬を審査するといっても、いい馬でもそれを良く見せるのは騎乗者の実力が必要)

フィギュアスケートの馬版と考えれば分かりやすいでしょう。通常、今回のように、あらかじめパターンが決められていますが、競技者がパターンを創作できるフリースタイルレイニングというものもあります。

レイニングのパターンはいくつかあって、AQHA (American Quater Horse Association)などで定められています。以下が典型的なパターンで、大体左右対称になっています。

Reining Pattern

このパターンでは、まず、アリーナ中央で、左右に4回のスピン、次に左右のサークル。そして、図の下部へ行き、スライディングストップを行ってすぐにロールバック。アリーナ反対側へ行き、スライディングストップとロールバック、再びアリーナ反対側へ戻り、スライディングストップを決めてから、バックをして演技終了となります。

 パターンは、いくつかのパートに分けて考えることができます。

スピン
後ろ足を軸にして4回、旋回(後肢旋回)します。 馬が勢い良くくるくると自転するさまに驚くでしょう。後ろ足が軸として動かないほうがいいのです。
 
サークル
駆歩で大小、2種類の円を描きます。サークルは重要で難しいパートで、きれいな円を描けるかどうかはレイニングの勝敗を分ける程です。きれいな円を描くのが意外とむずかしいんです。左右対称のきれいな正円で、大きな円は速く、小さな円はゆっくりとめりはりが付けられれば、GOODです。
 
リードチャンジ
駆歩は良く見ると、右左、右左の順に足がでる右手前(Right Lead)とその逆の左手前(Left Lead)があります。左回りの円は左手前で、右回りの円は右手前で走るのが自然です。競技ではこれをしないと、ペナルティまたは失権になります。この手前を変えることをリードチェンジと呼びます。馬が中央に来て向きを変えるとき、馬の足を良く見ていてください。リードが変わったのが分かるでしょう。
 
スライディングストップ
急停止します。後ろ足はビタっ動かず、滑るようにして止まるのでこの名前がついています。 後ろ足が跳ねるようにしてとまるのはあまり良くありません。
 
ロールバック
後ろ肢を軸にして180度方向転換します。 スライディングストップに続けて、このロールバックを行います。牛が急に方向を変えた場合に、対応する技で、このダイナミックさはウエスタンならでは。スライディングストップ&ロールバックがばっちり決まったとき、会場からどよめきや拍手があるでしょう。
 

騎乗者は、始めに70点の持ち点があり、各パート毎に、良ければ数点のプラス、悪ければマイナスされます。それとは別にミスを犯した場合、ペナルティとしてマイナスされます。良くも悪くもなく、ミスもなかった場合は70点になる訳です。

また、もし、1個所でもパターンにない演技(4回のスピンを5回してしまったなど)をしてしまうと、失権で全点数がノースコア(0点)になってしまいまいます(これが案外多い)。

Written by Masaji Munekuni