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ゲートを通過中 |
馬と一緒に外乗に出る(乗って外に出る)には、さまざまな障害があります。
馬に乗りながら、門を抜けたり、橋を渡ったり、また、前方に木が倒れているかも知れません。馬は、臆病な動物で、見慣れないものがあると、それらを越えるどころか近寄るのも嫌がったりします。
トレイルは、外乗を模した競技で、それらを支障なく通過できるかどうかを審査します。いかにもウエスタンらしいこの競技は、馬の起用さ、芸の細かさが楽しく観戦できます。
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バック |
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BOX(枠の中)で回転中 |
アリーナには、木の棒や橋、ゲートなど外乗で遭遇するようなものがおいてあります。競技者はサイドパス(横歩き)などの技を駆使しながら、それらの障害を一つ一つクリアしていきます。
トレイルはスピード競技ではなく、上手く通過できれば多少時間がかかってもかまいません。ゆっくりでも馬のペースでスムーズにできればいいのです。
トレイルはクラスの難易度別にパターンが用意されていますが(クラスが低くなるに連れて、難しい技が抜かれている)、ここれは、マチュア/オープンクラスのパターンを例にとって説明しましょう。トレイルはいくつかのパートに分ける事ができます。パート毎に採点されます。

- LOPE
- このパターンでは、まず、2本平行に置かれた棒の間に駆歩で突っ込み、停止します。そのとき、足がはみ出したり、棒に足を当ててコンと音を立てたら、それで減点です。
これだけでもむずかしい。
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- サイドパス
- 馬はこの図の上部方向を向いています。そして、前後に平行に置かれた棒の間を左へ横歩き(サイドパス)していきます。やはり、この時も棒に足を当てたら減点、はみ出したら大減点です。
馬の横歩きなんて想像つきます?
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- L字のバック
- L字上に置かれた平行棒の間を、足を棒に当てたり、はみ出したりしないように、後退して抜けていきます。下を見ながら1歩づつ進めるんですが、これが大変。車でも難しい人がいるでしょ?
ここまで見てきただけでも、トレイルの大変さがわかるでしょう?
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- ゲート
- 馬に乗ったまま、門(ゲート)の扉に手をかけ、戸を開けて馬と共に通り抜け、再び戸を閉めます。戸を開けてから閉めるまで、戸から手を放してはいけないのです。手を放してしまうと、ゲートに関しては0点になってしまいます。ゲートを開けたとたん、馬がゲートから離れてしまうなんてしょっちゅう。
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- ブリッジ
- 橋を模した木の台が置いてあり、これの上に上がり通過します。簡単そうに見えますが、馬がこれを怖がることがあり、油断ができません。
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- ログ
- 横たえた木の棒(ログ)を速歩や駆歩で横断して行きます。この時、ログに足を当てると減点になります。 どうすれば、馬が足をぶつけなくなるかというと、馬の邪魔をしなければいいのです。下手に手綱をひっぱったりして、強い合図(扶助)を与えると、ログを踏んでしまったりします。弱い扶助で誘導するのがコツです。
(なんて簡単にいうけどねぇ)
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- ボックス
- ようやく馬が入るくらいの小さな枠(BOX)の中に入り、クルッと一周器用に回ります。やはり、この時も枠に足をあてたり、はみだしたりすると減点です。
ほんと馬って器用なことができるんです。
いづれのパートでも棒(ログ)に足をあてて、コンと音を出してしまったら、減点なので、この競技は皆シーンと静まり返って、緊張の中、見守っています。
Written by Masaji Munekuni
The Image was drawn by Kazuyuki Tsugeshita