1998年
第8回 八ヶ岳ホースショー ガイドブック

ウエスタン馬術競技部門

 
Sliding Stop  八ヶ岳ホースショーは、オリンピックなどで既にお馴染みのブリティッシュ競技(イングリッシュ)と、カウボーイスタイルで行うウエスタン競技の両方が一度に観戦できる馬術競技会です。

 また、大会に出るのが初めてという方でも楽しめる、初心者にやさしい大会でありながら、県内外、全国から集まる中上級者の腕試しの大会でもあり、国内で数少ないウエスタン馬術大会の大きな大会の1つです。

 このページは、日本ではまだ馴染みが薄く、見ているだけではわかりにくいウエスタン馬術競技を皆さんに楽しく観戦して頂こうと思って作った私的ガイドブックです。各競技種目の説明を参考にして、 ぜひ、観戦をお楽しみください

 開催場所、日程など
   日時: 1998年7月25日(土)、7月26日(日)
場所: 山梨県馬術競技場 (小淵沢ICより車で5分)  
主催: 山梨地区乗馬倶楽部振興会
後援: (社) 全国乗馬倶楽部振興会
山梨県馬術連盟
(財)山梨県馬事振興センター
備考 入場無料
 問合せ先: ララミー牧場
TEL/FAX 0551-36-3298

 ウエスタン競技には、ウエスタンウエアに身を固めたライダー達が勢揃いします。もし、カウボーイハットをお持ちなら、ぜひ、かぶって来ましょう! この時期の小淵沢は晴れると大変暑くなります。帽子や日焼け止めなどの対策を忘れずに。

今年も、ジャッジ(審査員) が本場アメリカから招待されます。


競技種目をクリックすると、より詳しい説明がでます。
種目説明に使用しているパターンは過去のものです。今年のものではありませんので、ご注意ください。

競技種目

本大会のウエスタン馬術競技は、以下の競技が行われます。

ウエスタンホースマンシップ
指定された地点から馬を正確に歩かせたり、走らせたり、ストップし、回ったりと、騎乗者の基本的なウエスタン乗馬技術がシビアに問われる競技。
 
レイニング
ウエスタンの花形種目。カウボーイが牛を追いつめる技から生まれた、ウエスタンならではのダイナミックな技が見物!
 
ウエスタンプレジャー
ウエスタン乗馬に適した柔らかな乗りごこちの馬を評価する競技。一見地味な中に、実はし烈な争いが。
 
トレイル
馬に乗って橋を渡り、門を抜け、木々を跨ぐ。外乗を模した、いかにもウエスタンらしい競技。
 
ショーマンシップ
華やかに着飾った馬と人との緊張の演技に注目。ドッグショウの馬版!? 馬を引き馬で思い通りに誘導するのは意外と難しい。
 
バレルレーシング
これは楽しいスピード競技。3つのドラム缶を何秒で回って来れるか! 速ければOK。
 
ポールベンディング
スリリングなスピード競技。スキーのスラロームのように走ってタイムを競う。
(今回、この種目はないようです)
 

クラス

レベル別に、以下の4つのクラスがあります。 クラス別にパターンを変えたり、難易度を変えたりしているものもあります。種目によってない、クラスもあります。

競技規定

AQHA(American Quarter Horse Association)NRHA(National Reining Horse Association)ルールに準じます。

普通は、手綱を片手でだけで持ちますが、ローカルルールとしてグリーン・ルーキークラスは、両手の使用も認められます。

ウエスタン競技での服装は、カウボーイハット、長袖シャツ、ブーツを着用する必要があります。


ウエスタン馬術とは

 アメリカのカウボーイは馬に乗りながら、牛を追いつめ、集めたり、ロープをかけたりします。その中から生まれ、発展してきたのがウエスタン馬術です。機敏な牛を追いかけたり、外乗をスムーズにこなしたりする、そういう技だけを取り出して(実際に牛は登場しない)、磨きをかけて競技としたものが、今回のようなウエスタン馬術競技です。

 現在では、全米各地で競技会が頻繁に開かれ、競技用の馬が高値で取り引きされています。また、ヨーロッパ、オーストラリア、さらに、日本でもこのように大会が開かれるようになりました。レイニングはオリンピックの正式種目になることが検討されています。

 

 ウエスタン乗馬の特徴は、馬を動かす合図(=扶助:ふじょ)が弱いこ とです。一番軽い扶助として、口で発する音(=舌鼓:ぜっこ)を大変良く使います。ウエスタン用に良く調教された乗用馬は、「チュ」という唇を吸う音で駆歩を始め、「ウオゥ」という声だけで止まります。止まるときに強く手綱(たづな)で引っ張ることはしません。その次に使うのは足(=脚:きゃく)で、足のふくろはぎで馬のお腹を軽く圧迫して、進めや左右に曲がる合図を送ります(映画みたいに、いきなり拍車で蹴ったりはしないん ですよ)。

 手綱は、舌鼓や脚の合図の不十分さ(止まって欲しい位置で止まってくれないなど)を補うために使います。普段、手綱はだらーんと垂れており(これをルーズレインといい、ウエスタン乗馬の特徴)、手綱を使うときもその垂れ具合を変える程度で合図は十分伝わります。手綱は利き手の反対側の片手だけで持ちます(片手手綱、これもウエスタン乗馬の特徴)。これは、カウボーイが利き手をロープを引くなどの作業用にあけておく為です。

 

 カウボーイは一日中馬に乗ってハードな仕事をします。そのため、ウエスタン乗馬は、機敏な動作ができ、かつ、馬も人もなるべく疲れないような乗り方として生まれた実用馬術なのです。

 こういうことが可能なのも、そのように馬が良く調教されているからです。ウエスタン馬術競技は、馬がいかに良く調教されているかを審査するものです(ただし、ウエスタンホースマンシップだけは、騎乗者を審査する)。でも、やっぱり、乗り手の善し悪しで、馬の状態は大きく左右されますけどね。

 

 馬は、クォーターホースという馬が使われます。17世紀初頭に作り出された、最初の純アメリカ原産の品種です。クォーターというのは、1/4マイル競争(つまり、ゼロヨン競争みたいなもんですな)のことで、この競争に良く使われたのでこの名前がつけられました。筋肉質でダッシュ力に優れ、機敏な動きができ、カウボーイに愛用されてきました。

 ロデオや西部劇のイメージからウエスタン乗馬に荒々しい乗り方を期待された人はちょっとがっかりするかも知れません(ウエスタン競技には牛を集める、チームペニングなどの競技もありますが、日本では行われているのを知りません)。

 しかし、ウエスタン競技には、馬を仕事のパートナーとしてきたカウボーイ達の精神が今でも息づいています。このページを参考に、どうぞお楽しみください。

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※ このページは、配布された資料を参考に、観戦者向けにある程度崩した為、正確さを欠ける表現や誤りもあるかもしれないことをお断りしておきます。競技者がこの内容を参考にして、もし失敗しても(^^;)、責任を負いかねますので、ご了承ください。誤りの報告やご感想を、メールでご連絡いただければ幸いです。

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