Western apparel shop guide in USA #3
アメリカ ウエスタンショップガイド−3

文 菊池 好文/写真 Hiroshi Mochizuki

KING'S WESTERN WEAR
11450 VENTURA BLVD STUDIO CITY, CA 91604
ユニバーサルスタジオから車で5分。

アメリカ西海岸のベストと言ったら何と言ってもスタジオシティーにあるキングス。ハリウッドスターやお金持ちがショッピングする事で業界では有名。昨年、ワーナーブラザースが私の作っている黒のロイヤルフラッシュのシャツを30枚くらい買った。新しい映画に使うそうだ。どこで知ったか聞いたら、キングスから聞いたと言われた。やっぱり、映画関係に強い。

オーナーのランディーはアウトローな男。バイカーでもある。(写真のバイクはメーカー名は忘れたが、全米で199台しか作られなかったうちの一台。何も言わないのにうちのシャツを着てくれた。) 耳にはイヤリング、腕にはタッツー。コイツ、若い時、ぐれてたに違いない。店でも、F??Kという言葉がよく出る。(ここはきちんとスペルすべきかどうか分からないので、??)シャツもタックインしない。ただ、一端、お客が入ってくるとガラッと人が変わる。これが、きちんと接客するオーナーに変身。商品をきちんとたたみ、ショッピングバッグに入れ、お金を貰ってレジを打つ姿から、5分前のアウトローは全く感じさせない。

店は木の床がきちんと磨かれピカピカ。壁には70年代の大きなH BAR Cのポスターが掲げてある。私も同じポスターを持っている事を知って、知り合いのお得意さんが欲しがっているんだが、と遠慮っぽく言うので上げる事にした。私のは箱に入ったままで飾られていなかった。ポスター、今は飾られて喜んでいるだろう。

事務所には50年代の白黒の親子(父、女の子と7歳くらいの男の子)の写真がある。男の子は髪を七三に分け、上品その物。その子が今のアウトローな男と同一人物とは想像もつかない。下にそっくりなかわいいカラー写真があり、それは息子。この子も、こんなになるんだ、と、つい思った。

昨年の9月にラスベガスでトレードショーがあり、ランディーが私のブースに来た。長袖のシャツを作りすぎてしまったので、スペシャルプライスで営業した。彼は、発注書を持って、サンプルのシャツをじっと見ていたが、急に床にワンワンの格好になった。回りでは人が見ている。何やってんだと聞いたら、こっちの方が発注を書きやすいんだ、と言って250枚の注文をくれた。

今は主にSCULLYの刺しゅうシャツやペンデルトンなどがよく売れるそうだ。カッコいいウェスタンなら、まず見つけられる。もし、キングスにカッコいいウェスタンがなければ、ウェスタン業界にカッコいい物がない事になる。

(後述)
私はウェスタンの人間が好きだ。男は男。女は女、じゃなくて男気のある人がいる。(最近、ある女性から、嬉しい意味で、ビックリさせられた。後日レポートすることになるかも知れない。)皆、義理もあれば、人情もある。人のために無理をする事もある。日本にも昔はこんな人がいたかも知れない。

Copyright © 2003 All pictures' copy rights reserved by Hiroshi Mochizuki


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