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ステア・レスリング
Steer Wrestling

ステアレスリング(ロデオ)ステア・レスリングは、レスリングといっても牛と格闘をするわけではない。走っている馬の上から、雄の若牛(Steer)に飛びついて首をひねって引き倒すまでの時間を競う競技である。

まず、ゲートを開けて中の若い牛(子牛と大人牛の中間)を放す。牛は走りだし、選手はその一瞬後に馬で走り出す。追いついた瞬間、馬の上から牛に飛びつき、片腕を牛の角に、もう片腕を牛の顎の下に巻き付け、これと同時に自分の両足を地面に食い込ませて踏ん張り、体を後ろに向けながら牛の首をひねる。牛は倒れ、四本の脚が全て同じ方向を向いた時点で時間が止められる。牛が走り出してから倒して四本の脚が同じ方向を向くまでの速さを競い合う。

選手は、牛が走り出してからスタートしなければならない。選手の馬の前にはバリアーと呼ばれるロープが張ってあり、このバリアーは、牛がゲートを出てアリーナの大きさによって異なる一定の距離を走ると自動的に落ちる仕掛けになっている。バリアーが落ちる前に馬がロープを切る(バリアーを破る)とペナルティ・タイムとして5秒が加算されてしまう。

アマチュア・ロデオには馬を使わないシュート・ドギング (Chute Dogging) という似て非なる種目もある。これは選手が馬に乗らず、ステアと共にシュートに入り、シュートを開けるよう合図を出す。ステアの片角を握り、片腕は首に回した状態で3〜4m先に描かれた線を越したら首をひねり牛を倒し、四本の脚が同じ方向を向くまでの時間を競う。

「The Cowboy Way」 という映画をご覧になった方ならばビル・ピケット(Bill Picket) という人の名前が出てくるのをご存知だろうか?実は、ある日このピケットが若い牛を追いかけ、ロープを掛けようと何度もロープを投げたのだが、牛がいとも簡単にスルリと縄を抜けていく。そのうちピケットは腹が立って、馬から牛の背に飛び掛かると、腕を角にかけ、ブルドッグが牛を捕まえる時の様に牛の下唇に食らいついた!そして、牛が怯んだところで首をひねって牛をひっくり返し、足を縛ったのだ。これがSteer Wrestlingが別名ブル・ドッギング (Bull Dogging)とも呼ばれる由来である。

一連の出来事を偶然見たピケットのボスは、彼をロデオの元祖ともいえるウエスタンショーに出した。これが、後に競技となっていったのである。もちろん、現在のカウボーイは牛の下唇に噛み付いたりなんかしない。

因みに、「The Cowboy Way」 で彼らがコンビを組んで優勝した種目がチーム・ローピングで、ペパーが一人でロデオで優勝した種目がサドル・ブロンコ・ライディング(Saddle Bronc Riding)である(彼が馬に乗り、出て来た枠みたいなのがシュート)。